先ずは製作したGPSDOの動作ログからご紹介します。
・GPSモジュール u-blox Neo M8N (AliExpress)
・DAC PCM5102A (AliExpress)
・OCXO Morion MV89A (eBay)
・温度センサー BME280をOCXOの天面にシリコンの放熱シートを介して貼り付け
・測定は2020/6/7 10:00 〜6/14 10:00の間行いました。
*この測定のあと色々検討した結果、現在はGPSモジュールを中華GPSのATGM336H, DACをPCM5102Aに変更しました。現バージョンの情報は以下のリンクにあります。一応、簡易的ですがAllan deviationを測定した結果もあります。
GPSDO 10.0MHz基準周波数発振器を作る(4) 〜Aliもので作るGPSDO〜
GPSDO 10.0MHz基準周波数発振器を作る(5) 〜Aliもので作るGPSDO〜
GPSDO 10.0MHz基準周波数発振器を作る(7) 〜性能はどうかな?
GPSDO 10.0MHz基準周波数発振器を作る(8) 〜アラン分散を測ってみた
GPSDO 10.0MHz基準周波数発振器を作る(9) 〜DMTDでAllan deviationを測ってみた
プリント基板もつくってみました。GPSDO 10.0MHz基準周波数発振器を作る(番外編) 〜基板を作って見た1回目
このデータで注意しないといけないのは、周波数計測をGPSのPPS(1Hz)出力を基準にしていることです。
実際にGPSDOを製作されると分かりますが、GPSからのPPS信号はかなりジッタや変動があります。
10mHz程度の精度でよければまぁ問題にはならないと思いますが、1mHzの精度を得ようとするとそのままでは使えず、長時間の積分が必要になります。製作したGPSDOでは安定後は2048秒間の積分を行なっています。
もちろん、短時間の安定度は判断できませんし、周波数偏差も真値ではありません。あくまでもGPSからのPPS基準です。
(1) 電源ONからのの立ち上がりです。
OCXOが完全に冷え切った状態ではなかったので、完全なコールドスタートとは異なりますが、だいたい1.5時間(5000秒)程度で実用レベルの偏差1mHz程度には落ち着いているようです。30~40分程度で10mHz程度にはなっているようです。
10MHzに対する周波数偏差によって積分時間を可変しています。最小は1秒ごと、周波数偏差が追い込めると2秒、4秒、16秒と少しづつ積分時間を長くしていきます。
積分時間の切り替えにより周波数計測精度が上がり周波数偏差の値が大きくなるため、立ち上がり特性はかなり暴れているように見えています。若干オバーシュート、アンダーシュートしながら目標に近づくのは設計どおりです。
(2) 約一週間のエージング結果です。
変動はありますが、目標の±0.5mHz以内には入っているようです。
ただし、室温の変動によりOCXOの温度が変化するとそれに伴って周波数も変動しています。
昼間は無人で、エアコンも切っていましたので、室温は天候に影響されています。途中大きく温度が変動しているのは帰宅後エアコンをつけたためです。
BME280を使ってOCXOの温度をモニターしていますが、温度変化による補正はしていません。
もう少しデータを採ってから検討したいと考えています。