GPSDO 10.0MHz基準周波数発振器を作る(番外編2)~10811対応F/Wを作ってみた

投稿者: | 2023/07/21

久しぶりのGPSDOネタです。

GPSDOを作ってもう3年以上経ちました。ダブルオーブンのOCXO MV89A、ルビジウム発振器 LPRO(LPRO101)と組み合わせて使っています。拙作のGPSDOにも興味をもっていただき、数名の方から問い合わせをいただきました。うれしいことに、実際に作ってみていただいた方もいらっしゃいます。

電圧制御発振器の周波数を可変する制御電圧は、EFC(Electronic Frequency Control)と呼ばれています。
MV89AもLPROも、EFC電圧は0~5Vの範囲で、EFC電圧に対する周波数の変化は正方向です。(FEC電圧が高くなると、周波数も高くなる)

少し前から10MHzの発振器は、色々な機器(オーディオ機器用も多いようです)の基準周波数として使用できるためか、段々と高騰してきており、気軽に購入できる価格ではなくなってきています。特にMV89Aは2~3万円以上と高価になってしまいました。

MV89A以外のOCXOとしては、HP 10811も有名です。いや、10811の方が有名かもしれません。私もMV89AはGPSDOを作るまで知りませんでした。10811は、私も周波数カウンタ53132Aのオプションや、Z3801A内蔵のものを所有しています。特に、Z3801Aに内蔵されている10811は、普通の10811に更にオーブンを追加したダブルオーブン構造になっていて、より優れた安定度を有しているようです。また、10811には多くのバリエーションがあり、所有されている方も多いようです。
しかし、EFCはMV89A等とは異なり、制御電圧範囲は±5Vで、極性も逆(EFC電圧が上がると周波数が下がる)のため、そのままでは使えません。

そこで、テストバージョンですが10811対応のF/Wを作ってみました。このF/Wは、DAC PCM5102Aからの出力を約±2.5Vで出力し、EFCの極性を逆にしています。10811のEFC電圧範囲はカバーできませんが、幸い10811には周波数を調整できるトリマポットがついていますので、トリマポットである程度合わせこんでおけば使用可能と考えています。

このF/Wを使う場合は、回路図のU11を取り外し、SW1Aを1側、SW2Aを1側に切り替えます。
また、10811はMV89Aと電源構成が異なりますので、X1周りの電源は10811の仕様に合わせて変更が必要です。

GPSOD Schematic Diagram

私の方では、実際に10811を使っての動作確認はできていませんが、もし、試してみたいと思われた方はご連絡ください。(テストバージョンなので上手く動作しなかったらごめんなさい)

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