VX-3といえば、ロングセラーな超コンパクト ハンディトランシーバーです。私もSTANDARDとYAESUブランドの2台持っています。
折角のコンパクトハンディなのに野暮だとは思いながらも、外付けマイクが欲しいと思いたち、半年以上前に大阪日本橋のデジットで適当に部品を購入して、作ろうと思いながらものびのびになっていました。最近の暑さに外に出かける気にもならず、やっと重い腰を上げてスピーカーマイク(SP-MIC)を自作してみました。もちろん、YAESU純正のSP-MICもあります。
回路図
- PTT-SWを押すと、R2端子が2.2kΩでGNDに接続され、トランシーバーが「送信」になります。
- Ext-Head_Phone端子は、SW付きを使い、ヘッドホンが接続されたときはSpeakerへの出力を切りたいところですが、手持ちにSW付きが無かったため、そのままSpeakerと並列に接続しています。
- 回路図では、結線を分かりやすくするためにTX-SP/MICは3.5mmのプラグになっていますが、実際には間に3.5mm 4極のジャックが入っています。
<全回路図を追加しました>
部品
- 3.5mm 4極プラグ
VX-3のMIC/SP端子はアンテナとロータリースイッチの間に配置されていて、普通のプラグだと干渉して入りません。また、MIC,SP以外にもデータも出力されているため4極プラグが必要です。
ダイソーの「マイク付きイヤホン」に使われている4極ミニプラグが丁度良いサイズでした。イヤホンがモノラルのものと、ステレオのものがありますが、ステレオのものを選びました。(モノラルは未確認ですが、配線が足りない可能性もあります)
実はデジットで細身のものを購入していて、サイズ的には入ったのですが、メッキだったため、アンテナへの影響があるかもと考えてやめました。
実際は簡単にケーブルが交換できるように、SP-MIC側はデジットで購入したプラグ(MJ-079)にしています。 - 3.5mm 3極ジャック
デジットで購入したMJ-074N-Rを使いました。
ヘッドホンが接続できるように取り付けましたが、SW付きではないため、SP-MICのSPはオフになりません。ステレオヘッドホン用のジャックですが、L側しか接続していません。 - 3.5mm 4極ジャック
デジットで購入したMJ-079を使いました。 - 3.5mm 4極プラグ
VX-3側のプラグはサイズが小さいものでないと干渉して使えませんが、SP-MIC側は特に制限はありません。私はデジットで購入したMP-435を使いました。 - Speaker/スピーカー
デジットで小型のSPを買っていましたが、Wattsで見つけた「クリップヘッドホン」の方が口径が大きく良さそうでしたので、こちらを使いました。ヘッドホン用なので普通のSPのような大きな音は出せません。受信時は耳元にもっていって聞くスタイルを想定しています。 - MIC/マイク
デジットで購入した小型のコンデンサーマイク(MAT-DA0021-C001-100P)です。
100個入りですが、1個しか使いません。同じくデジット購入したダイナミックマイク(SM-9410A-20P)も試してみましたが、少し感度が低いのか変調が浅かったです。
未確認ですが、100均の「マイク付きイヤホン」のマイクも使えるかも知れません。 - R抵抗
普通の1/6W 2.2kΩ カーボン抵抗です。 - SW
デジットで購入したスイッチです。多分、MS-400-7(の赤バージョン)だと思います。
タクトスイッチの方が軽い力で確実に押せるので好みなのですが、手持ちに丁度良いものがありませんでした。 - ケース
テイシンの安いプラスチックケースです。多分、TB-50かな?
Wattsの「クリップヘッドホン」を分解したスピーカーを入れると、固定が要らないくらいのサイズでした。
組み立て
- スピーカーの取り出し
この状態までは、手で分解できます。
ニッパで回りを引き離すように切っていくと、スピーカーだけを取り出すことができました。
- ケース加工
- 部品が干渉しないように配置を決めて、ドリルで穴をあけます。
- PTT SWの取付穴は、手持ちのドリルのサイズが合わなかったため、下穴を開けリーマで拡大しました。それでもたりず、最後はやすりがけ(笑)
- スピーカー用の穴は、面倒だったので9個しか開けていませんが、もう少し増やしても良いと思います。
- マイク用の穴も忘れずに開けます。
- 全ての穴をあけたら、部品を配置して、干渉していないかを確認します。
まだ、配線はしません。
- 配線
- 抵抗R 2.2kΩは、マイクの端子に直接ハンダ付けします。
- ケースに組み込む前にPTT SW以外の配線を済ませておきます。
ジャックの結線は、新しいプラグ等を差し込んで、テスターで確認しながら行います。
- ケースへの組み込み
- ヘッドホン端子を最初に取り付けます。
- スピーカーをヘッドホン端子に干渉しないように確認しながら配置します。
特に、スピーカーの端子が接触しないように注意して配置します。 - トランシーバー側の4極ジャックを取り付けます。
- PTT SW用の配線をケースの穴から出して、PTT SWにハンダ付けします。
- PTT SWをケースに取り付けます。
- ケーブル加工
「マイク付きイヤホン」のケーブルを中ほどにあるマイクの手前で切断します。マイクからイヤホンまでは使用しません。
別に用意(購入)した3.5mm 4極のプラグとストレート配線になるようにテスターで確認しながらハンダ付けします。私が使用したダイソーの「マイク付きイヤホン」のケーブルはシールド線ではありませんでした。ノイズがちょっと心配ですね。また、細いUEWの撚り線でした。UEW線のハンダづけは、ハンダごてのこて先にちょっと多めにハンダを盛って、その中にUEW線を入れると被覆が溶けてハンダが付きます。 - 事前動作確認
実際にトランシーバーに接続します。PTT SWを押して、送信になること、変調が十分にかかっているかを確認します。確認にはもう一台のトランシーバーか、受信機が必要ですね。 - 部品の固定
- 動作確認をして問題がなければ、ホットメルト(ボンド)で部品の固定をします。
どのような順序でもOKです。 - マイクを固定するときは、ピンセット等で位置を合わせて押さえてからホットメルト(ボンド)で固定するのが良いと思います。また、ホットメルト(ボンド)が冷えて固まるまで時間がかかるので、十分に固まるまでピンセット等で押さえたままにしておきます。
- PTT SWもホットメルト(ボンド)で固定します。
ケースのふたがきちんとしまるように、ホットメルト(ボンド)のはみだしに注意します。
- 動作確認をして問題がなければ、ホットメルト(ボンド)で部品の固定をします。
出来上がり
完成したSP-MICとVX-3です。
VX-3のコンパクトさを損なわない程度の、いい感じにできたと思います。
質量は、ケーブル無しで 24g、ケーブル付きで31gでした。さすが100均のケーブル(笑)
iCOMのスピーカーマイクとの比較です。小ぶりにできました。
まだ、実際の交信には使用していません(笑)
なお、このスピーカーマイクは、FT5Dでも使えます。ただし、FT5Dは防水のためか、プラグの挿入が少し甘くなることがあるようです。
やっぱり、PTT SWはタクトスイッチかマイクロスイッチにすれば良かったかなと思っています。