KENWOOD TM-441の修理を依頼されました。
症状は、「レピータにアクセスするとき、最初だけレピータが開くまでに時間がかかる。2回目からは大丈夫」というものでした。
トーンの不具合だと思われますが、修理業者?さんに相談されて、「トーンスケルチユニットを入れたら元のトーン回路がバイパスされて、トーンスケルチユニットからのトーンが出力されるので改善されるのではないか?」と助言されトーンスケルチユニットを入手し、取り付けたものの改善されなかったということでした。
レピータアクセスの最初だけ時間がかかるものの、トーンスケルチは開くし、2回目からは特に問題ないという事でしたので、トーンのレベルが低いのではないかと考え、オシロスコープで見るとトーン信号は出ています。ただ、レベルは低いように思えます。しかしながら、途中の回路をバイパスして、信号レベルを上げても改善されません。TM-441はトーン信号をラダー抵抗を使ったDACで生成しています。
回路を追いかけてましたが、チップ部品は、取り外すと付け直すのが大変なの躊躇していました。抵抗であればだいたい大丈夫ですが、コンデンサは壊れやすいためなるべく取り外しせずに検討していましたが、一向に不良個所が見つかりません。しかたなく、チップ部品を外して不良部品を見つけました。交換すると、トーン信号のレベルが一気に大きくなり、「なんだ、こんなに振幅があるのが正常だったのかと!」と思いました。無事レピータも一発で開くようになりました。トーン信号の適正レベルが分かっていれば悩むこともなかった故障と思いますが、経験が足りませんでしたね。
さて、今回のTM-441は、トーンスケルチユニットを付けても、トーン信号はマイコンから出力されるものを使っているようです。つまり、冒頭の「トーンスケルチユニットを付けると、回路がバイパスされて…云々」は違っているように思われます。よくわかりませんが…