2023年9月25日付の電波法等法令改正により、これまでアマチュア無線局免許状に記載されていた、電波形式、周波数、空中線電力の表記が、その無線局の資格に対応した一括表記に改正されました。例えば、第3級アマチュア無線技士の資格で移動するアマチュア無線局を開局した場合は、「3AM」と表記され、これまでのように、免許された電波形式、周波数帯、空中線電力は表記されません。
これにより、記載事項に変更のない変更申請(届)の場合、新に無線局免許状は交付されないことになり、総合通信局、免許人ともに手間が省けることになります。
なお、総務省の「無線設備の変更の工事をする場合の届出について」には以下のように説明されています。
「3AM」のような一括表記の免許状を持っていれば、技術基準適合証明設備(技術基準適合証明を受けた無線機)は変更届が総合通信局に到達した時点で使用可能になるので、無線機を買ってきたその日の内に電子申請Liteで変更届を出してしまえば、直ぐに使えることになります。(電子申請Liteで申請すればすぐに「到達」の連絡がきます)
これまでは、例えば144/430MHzで免許を受けていてHF機を追加する場合、HFを追記した新しい無線局免許状が交付されるまでHF機は運用できなかったので、これは良いですね。
ところで、「遅滞なくその旨を総務大臣に届出…」を、その内に届ければよいと思っている人もいるようですが、「…無線設備の変更の工事をする場合…」であり、「…無線設備の変更の工事をした場合…」ではありませんので事後申請は間違いです。
私の今の無線局免許状は 144MHz 10W, 430MHz 10Wです。今回、KENWOOD TS-790S, STANDARD C601を入手、整備したので、これで変更申請を行うことにしました。
この2台は、古い無線機ですので、新スプリアス基準では技適を受けていないので、直接総合通信局に変更申請することはできません。(できないことはないけど、総合通信局による検査を受ける必要がある)
そのため、JARDで保証認定を受け、その後、総合通信局に変更申請を行い、無事受理完了しました。
さて、これまでの144MHz, 430MHzだけの無線局免許状に1200MHzが追加になるわけですが、あらたに免許状の交付が必要になるかが気になりました。法改正前でしたら、記載事項が変更になるので、新たな免許状を交付してもらう必要がるのですが、法改正により一括表記への読み替えが行われるのであれば、わざわざ新しい無線局免許状を交付してもらう必要はないのかも? と思ったのです。無線局等情報検索でも一括表記に切り替わっていますしね。
と、いうことで、総合通信局に電話で聞いてみました(笑)
- 私) あの、アマチュア無線局免許状の交付について質問があるのですが、こちらの電話でよろしいでしょうか。
- 総通) はい、この電話で大丈夫です。
- 私) 今回、変更申請を行い受理していただいた者です。これまで144MHz,430MHzで受けていた免許に今回の変更申請で1200MHzが追加になるのですが、新しい免許状の交付を受ける必要があるのでしょうか?
法改正で、無線局等情報検索は一括表記への切り替えがありましたので、現免許状も読み替えがなされるのであれば、交付は不要なのかもと思い、確認のため電話しました。 - 総通) ちょっと確認しますので、お待ちください。
- 総通) お待たせしました。
記載事項の変更もありますし、現在、一括表記への切り替えを推進しておりますので、新しい免許状の交付を受けてください。 - 私) ありがとうございます。承知しました。新しい免許状の交付を受けるようにします。
ところで、一括表記への切り替え前の無線局免許状を持っていて変更申請する場合で、記載事項の変更がない場合は、再免許のときまで今の免許状が使えるのでしょうか? - 総通) はい、記載事項に変更が無ければそのまま使えます。
- 私) ありがとうございました。お忙しいところ、お手数をおかけしました。
- 総通) いえいえ、お問い合わせありがとうございました。
まぁ、予想した通りでした。
まとめると、
- 記載事項に変更がある場合は、新しく一括表記の免許状の交付を受ける。
- 記載事項に変更がない場合は、そのまま(新しい免許状の交付を受けず)免許状を使っていて良い。
(再免許のタイミングで、一括表記に切り替え)
今回の変更は、技適機種の追加ではありませんので、新しく交付された無線局免許状が到着してから運用開始します。