YAESU FT-897といえば、HFから430MHz帯までカバーするアマチュア無線機です。
比較的小型でバッテリー運用もできるので、愛用されている方も多いのではないでしょうか?
ちょっと操作が難しく、マニュアルが手放せませんが(笑)
後継機はFT-991になるのでしょうか、でもFT-897のこの無骨さはなかなか良いんですよね。
しかしながら、LCD表示がすだれ状に欠けるという持病があります。
特に、モービル運用されているものはこのトラブルが多く発生しているのではないでしょうか?
液晶表示の欠けは使っているうちにひどくなり、ついには大切な周波数表示も読み取れなくなってしまいます。もちろん、設定メニューも読めません。こうなると、液晶パネルを交換するしかないのですが、残念ながら、純正パーツは既に入手不可能になっています。
代替部品としてAliExpressで購入した中華製LCDパネルと交換することにしました。
同じものがeBayでも購入可能です。
- 先ずは、元々ついている液晶(LCD)とフラットケーブルを取り外します。
この個体は、LCDを一度交換されたことがあるそうで、基板のパターンも荒れていました。幸いにも剥げたパターンは配線されていないパターンなので、問題はありませんでした。 - 交換用のモジュールは、液晶パネルと基板に分かれています。液晶パネルを外して、基板を先に取り付けます。パターンの左右と基板のシルク印刷が一致するように合わせて固定します。ハンダづけする前に基板を仮固定して、液晶パネルを取り付けるプラスチックフレームがきちんと取りつくかを確認した方がよいでしょう。
- 基板をハンダづけします。
元のフラットケーブルは全部の端子から信号をとっていましたが、新しい基板は一部しかはんだ付けは不要です。必要な信号線だけ接続されるようなパターンになっています。配線されていないパターンは、バイパスコンデンサなど新しい液晶パネルには不要な部分です。 - 基板のはんだ付けが出来たら、一度仮組して液晶が正しく表示されているかを確認します。
(写真はパネルの裏側から見ているので、表示が反転しています)

- 代替の液晶パネルはオリジナルのものより少し大きいため、そのままでは固定用のフレームに収まりません。固定用のフレームを削る必要があります。これが一番大変です…
左右を上手く削らないと、表示エリアがフロントベゼルにかかかってしまい表示が欠けることになります。手先の器用な工作が得意な方は大丈夫でしょうが、不器用な私は大変苦戦しました。
削っては、液晶パネルとの干渉部分を確認して、また削るという作業の繰り返しです。
液晶パネルに機械的ストレスがかかると破損の原因になるので、当たらず、かつがたがたしない程度に削る必要があります。
基板のコネクタにフラットケーブルを取り付けて、液晶をフレームに固定したときに、フラットケーブルにストレスがかからないように真っ直ぐ取りつくようにしないといけません。 - フレームの加工が終わったら、組み立てて完了です。
きれいに表示されるようになりました。
でも、ちょっと右側を削り過ぎたかな…まぁ、ギリギリ欠けていないのでOKとします。
故障の原因は、モービル運用で車の中に積みっぱなしだと、車内の温度変化による膨張収縮によってフラットケーブル(COF)、液晶とフラットケーブルの取付部分にストレスがかかり、疲労破断するためだと思います。また、高出力で運用すると発熱も大きくその影響もあるのでしょう。
オリジナルは、パネル、フラットケーブルとも両面テープでがっちりと固定されていますので、膨張収縮する際のストレスがよりかかりやすくなっているのではないかと思います。交換したモジュールは、基板と液晶パネルは両面テープで固定されますが、フラットケーブルの部分は固定されていないので、ストレスは少し緩和されるのではないかと思います。でも、組み込む時にどうしてもケースに当たって曲がってしまうんですよね… まぁ、しかなないか。
手先の器用な方は特に問題なく交換できると思いますが、不器用な私はもうやりたくありません(笑)