YAESU FT-90を修理した

投稿者: | 2025/01/05

今年初めの無線機修理は、YAESU FT-90です。
女性のお弁当箱サイズの小さいな筐体のVU Dual Banderです。
このサイズにもかかわらず、50W機まであります。
この小ささから想像するに、元スタンダードのエンジニアが開発したものでしょうか?(個人の感想です)

不具合の症状は、パワーが出ないという事でした。
以前、無線機ショップに修理に出されて、「ファイナルが壊れている」と言われたものだそうです。

とりあえず、ダミーロードにつないで症状を確認すると、液晶画面は偏光板が劣化して読みづらくなっていましたが、なんとパワーはほぼ定格20W出ています。
壊れてないよね?と思いながら暫く通電したままにしたところ、申告のとおりパワーが出なくなりました。

では、何はともあれ開腹です(笑)

開けた途端、裏付けされた部品が沢山あり驚きました。
写真の上部の裏付け部品は、チューブがかぶったり、シリコンボンドで部品が固定されているので、メーカ生産時に改造されたものでしょう。マイコンのリセット回路かな?
でも、下側の改造は雑です。この改造は微妙だ… メーカーの改造じゃないよね…ん、でも上と同じようにテープ貼っているしな??

いずれにしても、生産開始初期のロットだろうと思われます。
なお、電解コンデンサは私が交換した後の写真です。あと、銅箔テープも私が追加したものです。すみません(笑)
RF基板もハンダを手直ししたような形跡が沢山あります。色々とチェックした結果、ファイナルの故障と判断してあきらめたのでしょうかね。リグも古いし、ファイナルを交換すると高くつきますから、それならいっそ新しい無線機に交換する方が得策かもしれません。

気を取り直して、チェックしていきます。
PTTを押すと消費電流は良い感じに増加します。と、いうことはファイナルのFETは生きているようです。しかし、RF出力はありません。アンテナスイッチのPINダイオードダイオードを外してチェックしても生きているようですし、ちゃんとONしているようです。前に見た人もPINダイオードをチェックしたようで、ハンダをやり直した後(多分、一度PINダイオードを外している)がありました。
はい、前の人と同じことを確認しました…

そうなると、やはりファイナルモジュールの故障ですね。
とは言っても、もうこの機械のファイナルモジュール(M68751R)はなかなか手に入りません。
終段のFETは生きていそうなので、まぁ故障個所の想像はつきますが…

仕方ないので、ファイナルモジュールを殻割して修理しました。
とりあえず、終端型電力計につないで、送信負荷をかけて試していますが、今のところ不具合は再発せず直ったように思えます。
もうしばらく様子を見て、完了です。

あ、そういえば、マイクが無かった…この無線機のマイクは、RJ-11(6P) コネクタの奴なんですよね。
どうしよっかなぁ…


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