TM-732 の 電源入らず を修理した

投稿者: | 2025/02/20

またまた古いトランシーバーTM-732をオークションで入手しました。もちろんジャンクです。
ジャンクの理由は「電源が入らない」です。その割には高かったですね。最近、ジャンクの無線機でも高いですよね。

先ずは電源が入るように修理しないと次にすすめません。
TM-732の故障は、ほとんどがコントロールユニットの電解コンデンサの液漏れが原因です。コントロール基板に使われている電解コンデンサはC8 6.3V 100uF 1個だけなのですが、これが盛大にお漏らしして周辺の部品やパターンを腐食させるのです。

TM-732はこれまでに数台修理していますが、全てがスルーホールを通って電解液が基板の裏面にまで漏れてIC1 78LR05周辺のパターン切れを起こしていました。他にもあちこちとパターンが腐食しているようです。 IC1とその周りのコンデンサを取り外して、基板をきれいに掃除します。
また、あの嫌な臭いがします…
電解液が流れ込んだスルーホールもできる限り掃除します。

今回入手したものは、液晶のバックライトをLEDに交換されていましたが、LED化のついでに電解コンデンサも交換しておけばここまで酷くならずに済んだのかもしれませんね。しかし、よく見るとIC1はハンダ修正された形跡があるので、一度交換か手直しされたのかも??

しかし困ったことに、いくらアルコールで清掃したつもりでも漏れた電解液は、完全にはきれいになりませんね。再度はんだ付けするときにやはり少し嫌な臭いがします。

とりあえず、仮組してテストすると電源は入るようになりました。
ようやくこれで動作確認へ進めます。
確認すると、更に以下の不具合が見つかりました。

  • バンド切り替えのLEDが点かない
  • LOW/DIM(出力切り替え、Dimmer)SWが動作しない
  • C.SEL(バンド切り替え) SWが動作しない
  • 液晶の一部が表示されない

SGと終端型電力計で確認したところ、受信、送信は特に問題ないようです。受信感度はかなり良い!

LOW/DIM, C.SELスイッチが動作しないのは、銅箔パターン切れでした。
電解液の腐食で脆くなっていたところに、作業中に硬いものなどが触れてパターンを損傷したのでしょうか。パターンが細く修復は大変そうで、更にスルーホールの断線もありそうな感じなので、回路図を確認してジャンパー線でマイコンのピンから直接スイッチまでバイパス配線しました。

バンドインジケータLEDが点灯しないのもパターン切れでした。一見つながっているように見えましたが、テスターで調べると導通がありませんでした。しかもスルーホールの断線もあり、ボロボロでした。断線部分を補修しました。

液晶の一部が表示されないのもパターンかスルーホールの断線のためかと思っていましたが、導電ゴムの接触不良だったようで、接点をアルコールできれいに拭いたら直りました。

TM-732は、4アマの出力電力が緩和される前の製品のため送信出力10Wなので、冷却ファンも必要なく、消費電流も少ないためシガーライターソケットからも電源がとれ手軽に使えそうです。でも、若い人はシガーライターなんて知らないんでしょうね。

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